お納め下さい。
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私は駅構内、モール、百貨店などで時折開催される、こどもの絵の展覧会が好きだ。あらゆるところに力の均衡が見られる世界において、子供を中心としてそのせめぎ合いに抗する重力場が生じており、均衡が破れた状態を感じることができる。本来なら、こどもの伸び伸びした発想や表現に注目するべきなのだが、親とこども、先生とこどもの間で作られたであろう作品から、どうしても歪みを感じてしまうのだ。
今回は、大都市なら年に一度は開催されているように思うので、是非行って欲しい。その思いを込めて、去年京都駅で見かけた展覧会の模様をお伝えする。変なブログに我が子の名前が掲載されているのもどうかと思うので、名前はカットした。
まず、ただただ素敵なものから。
ダイナミックな石庭。
点描風の下鴨神社。
うますぎる。さっすが小6。
かわいいけど変わった技法を使っているように思う。小2の作品。
丁寧に写実していてすごいと思う。
これ、ハンターハンターを思い出す色の使い具合だと思いませんか。
小学生のものとは思えない作品、あるいは小学生らしすぎる作品、どちらも素敵だと思う。
続いて、タイトルを先生が付けているのではないだろうかと邪推せざるを得ない作品。
「以仁王を奉る拝殿の彫物の動物は、境内を守るようです。」
「いこいの森と力強いとりいをもつ下鴨神社は、京都の宝物。」
「車イスの人もみんな二じょうじょうに、こられますように」
「日本の四季が生み出す紅葉でさらに輝きを増す金閣寺」
「屋根屋さん、宮大工さんの思いと苦労の結晶、宇治上神社」
「世界中の人々が見に来る清水寺、京都の自まんのお寺です。」
「復活した祇園祭、後祭。大船鉾に彼らの思いを。」
「迫力満点五重の塔、サクラを手前において遠近感を出しました。」
書店を徘徊していてうっかりラノベ売り場に飛び込んでしまった時の気まずさのようなものを感じられる。これが、作者が小学生であるがゆえにタイトルにいろいろ言いたいことを詰め込みすぎた結果なのか、先生や親による何らかの圧力があったからなのか。あくまで想像しかできないが、いくらでも想像ができてしまう。
最後に本命を。これ。
顔の左右を塗り分けて影を表現し立体感を出し、細やかな装飾を丁寧に描き、油絵のように厚く深みのある塗り。塗りが本当にすごくて、生で見ると特に、他とは別格だとわかった。この腕前で、小学2年生らしい。いやはや、末恐ろしいとはこのことだ。この作品からは、いろんな意味で目が離せなかった。親が上手いのか?いやいや天才の可能性だってあるぞ?兄弟が手伝いすぎたのでは?様々な思いが心中に去来した。
せっかくなので近日中の何らかの展覧会をおすすめしたくて検索したのだが、私の検索力の低さゆえ適切な催しが見つけられなかった。そういえば、私もいつも展覧会の存在を知っているのではなく、偶然通りがかって吸い込まれてしまうのだった。百貨店の催事場で3,4日間やっていたこともあれば、ゲリラ的にごく小さなスペースで慎ましくやっていることも多い。どこかしらで開催しているのを知ったらぜひ足をとめてひと目観て、重力を感じていただきたいと切に願う。
子供の絵が好きだ。続きはまた明日。