2014年,知識も素養も筋力も経験も無いこーしーがよく聞いたアルバム10選

2014年によく聞いた音楽を挙げたい。アルバム単位で聞いていたものもあれば,1曲単位で聞いていたものもあるのでそれぞれ10個ずつ。音楽的にどうのこうのを語る知識も素養も筋力も経験もないので,自分がいかにして出会ったかと単なる感想,どういうときに聞きたくなるか,などに留める。本当は,読んだだけで聞いてみたくなるような藝のある評が書きたいのだけれど。順番は良かった順に並べた。

1位:きのこ帝国 『フェイクワールドワンダーランド』

フェイクワールドワンダーランド

きのこに縁のある一年だったので,ジャケ買いならぬ名前買いだったのだけれどこれが本当に良かった。遡って聞くといわゆるシューゲイザーで,細い人がうっとりとギターを弾いてボーカルが暗めの歌詞を低めで囁くというような曲なのだが,このアルバムを聞いて,そこから脱皮しつつあるのがはっきりとわかった。『クロノスタシス』が一番好きで,夜中に研究室を抜けだして散歩しながら聞いていた。(こう書くと研究室に変われてる人造人間みたいだなあ)PVを観て再び恋に落ちた。何度聞いたかわからない。ボーカルの女性が以前役者さんをやっていたらしいと聞いて,なるほど〜と思った。


2位:Lamp 『ゆめ』

ゆめ

重層的かつ心地よいおしゃれが過ぎるサウンドと,ライブよりレコーディングと言い切るしゃんとした背筋を持ち合わせたバンドで,ちょっと次元が違う質の高さだなと思った。夏目漱石っぽさがある。まずさざ波のように「上手いなあ」が来て,次に「良いなあ」の大波が来る感じ。落ち着いた天気の昼下がり,アルバムをまるごと聞きながらひとりで散歩をするのが一つの楽しみである。


3位:KIRINJI『11』

11(初回限定盤)(DVD付)

熱心なファンでない私にとって,弟が脱退しキリンジ→KIRINJIになったことも衝撃的だったのだが,それ以上に新メンバーにコトリンゴの名前があったことも衝撃だった。これまでも厚みがあって聞く人を包み込むような音作りだったと思うが,より若くハツラツとした演奏のもとで聞ける。大きくメンバーチェンジし,弟と袂を分かったアルバムの一曲目に,必ず生きて還ろうという歌詞の『進水式』をもってくるあたり,まっすぐな人だなあ,と思う。




4位:cero『Yellow Magus』

Yellow Magus(DVD付)

メロディもリズムもかっこいい。音の厚みがあり,聴きやすくもある。『Orphans』よりもこちらのほうが唯一無二な気がしたので『Yellow Magus』を採った。夜に聞きたい。


5位:王舟『Wang』

Wang

優しい声と優しい演奏。動画は『new song』です。この森の音楽会的な温かいアンサンブルといったら!私は『瞬間』が一番好き。休みの日,お気に入りの器でカレーを食べながら聞きたい。


6位:どついたるねん

どついたるねん BEST HITS

むちゃくちゃ面白い。PVもこの動画も最高だった。ひとりでこそこそ楽しみたいバンド。ライブにも行ってみたい。



7位:モーモールルギャバン『モーモールル・℃・ギャバーノ』

モーモールル・℃・ギャバーノ

ちょうどこのミニアルバムを出した際にライブ出演を無期限休止したそうで,今後出すアルバムへの期待が膨らむと同時に,多少無理してでも観に行っておくべきだったなと反省しているところです。変な歌詞でものすごい歌い出しなのにもかかわらず泣かせるバラードだったり,歌詞もテンションもおかしい曲だったり,いずれにせよ下品なんだけれど嫌じゃない。ゲイリーさん,本当に徳が高くて好きだ。Key, Voのユコさんがかわいいのにかわいさを全面的に押し出さないあたりも好き。ゲスの極みのPVのあざとさといったらなあ。



8位:how to count one to ten『Method of slow motion』

Method of slow motion

初めて聞いた時,どんな映像のBGMにでもなるだろうなと思った。何にでも合うシンプルなアンサンブルと,このまま消えてどこかに行ってしまいかねない心地よさがある。どこか数学とか科学のかおりがするのはなぜだろうとかんがえてみると,メロディらしいメロディはなく,何本ものギターがただ幾何学的に折り重なるのみ,という冷静さによるものだろう。『mathematics;re』という実験的な曲もよかった。冷静かつポイントを抑えたBGMと落語家による講談とのマッシュアップ伊集院光深夜の馬鹿力が好きだったり,ZAZEN BOYSが好きだったりする人は絶対気に入るはず。



9位:ORGE YOU ASSHOLE『ペーパークラフト

ペーパークラフト【初回限定盤】(1CD+カセット)

印象的なリフレインと気だるさに満ちた声というデビュー以来変わらぬ魅力は相変わらず,狙いは変えていないのだろうがメロディが洗練されていて,良くなっているなと思う。『ムダがないって素晴らしい』が気だるくて仙人を思い出すので好き。パーカッションのせいだろうか。仙人って仙人だからすごいのだろうけど,一見ヒゲが汚いしまともじゃないからバイトの面接とか落ちそうじゃないですか,そういう感じ。汚い和室で朝まで飲みながら聞きたい。ネコ穴のことなんだけど。



10位:Shiggy Jr. 『LISTEN TO THE MUSIC』

LISTEN TO THE MUSIC

声が圧倒的に素敵。ヘラヘラしてて底抜けに明るいのが最高に良い。PVをみるに多分仲良くはなれないけれど,それでいい。少し落ち着いた『baby I love you』が好き。これからもヘラヘラと彼岸で踊っていて欲しい。それを漏れ聞いていたい。



長くなったので分けます。