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包丁を押し当てて、押し当てて押し当てて。

料理をする人やリストカッターケンイチくんならわかると思うけど、包丁を押し当てるだけでは、ものは切れない。重力方向に力を入れても切れない。水平方向に押すか引くかして初めて切れるのだ。柔らかくて大事な部分に包丁を当てたとて、グッと押し当てたとて、押し引きさえしなければ、皮が破れ、血が流れることはない。

以前私がハマっていた表現に、「包丁を振り回す」というのがある。社会や人に影響を与えたり、言葉を投げかけたり、とにかく何らかのアクションを起こすのはおこがましいことで、本来はすべきでないことである、あるいは細心の注意を払う必要がある。そういう風に考えていたのだろう。いずれも意味がちょっと良くわからないけど昔の私はこんなことを言っている。包丁好きだった。



マシンガンを街なかで構えていた人間ではあるが、とにかくアクションを起こすことを忌避していたのだけれど、最近はそうでもないかもしれないと信じられるようになってきた。ひとまず、包丁を押し当てるような感覚で生きていこうと思うし、読む人に包丁を押し当てるブログを書いていこうと思っている。包丁を振り回すよりも、懐に忍ばせ続けるよりも、それは藝のあることだと思う。