10/29(土)に,母が大阪より上洛するというので,美味しいご飯を味わってほしい!と思い立ち,知恩院前の「西洋厨房いとう」で昼食をいただいた.以前,何度か知人に連れてきていただいてから,いつか自分のお金で食べに行こうと心に決めていた店だ.

- ジャンル:フレンチ
- 住所: 京都市東山区古門前通石橋町307
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- (写真提供:へぎや)
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前菜は京野菜の盛り合わせ.シェフのゆったりとしていて,かつ無駄の無い動きによって色とりどりの野菜が美しく盛りつけられた.その種類の多さが常軌を逸していた.ゆうに30種類はあったのではないだろうか.
盛りつけている最中と食べている最中の二度,これはいつ終わるのだと疑問に思った程の量だった.もちろん,質も非常に高かったように思う.京野菜は山城や久御山産らしく,シェフが自ら足を運んで選び抜いたものを使っているとか.「農家の野菜はあまり使わない」と言っていたのが印象的だった.趣味で作っている人から買っているということなんだろうか.こだわり抜いた野菜に,それぞれに合った調理を施されているとのことで,野菜に対するこだわりは私の想像を絶するものだった.
いとうさんでは,京都ではあり得ない程レベルの高い魚があり得ない程低価格で食べられる,
というお話を以前来店の前に知人から聞いていて,サーモンとブリとその白子をいただいてなるほどその通りです,と納得したのを覚えている.その話を思い出しつつ,この店を選んだのだがその判断が正しかった.
今回の魚も非常に美味しかった.愛媛の漁師町で育った母も納得していたようで,大変満足なランチだった.
突き出し→前菜→魚料理→肉料理→デザート
と,ボリューム満点で,5,250円の価値は十二分にあったように思う.東京だと8,000円はするのではないだろうかなどという話であった.コース料金の5,250円価格は決して安くはないが,非常にリーズナブルであったことを前置きとして,やはりディナーに比べれば見劣りする印象であった.ランチの価格が比較的安く,どうしても食材が限られてしまうというのはシェフも認めておられた.さらにお話を伺ったところによると,最近の傾向として,名店であっても1,000〜2,000円台で気軽に食べられるランチを提供していることが多く,それに慣れてしまった客への対応に腐心されているようだった.
ランチの特徴として多いのが以下の3点.
- 前述のとおり,ディナーに比べて価格が安い
- 客の都合で時間が限られていることが多い
- ワインを飲まない方が多い
確かに客からすると,ディナーとはいえ1万円以上する店にはそう行けないので,ランチで名店の味を堪能できるのはありがたいようだ.またランチを食べてディナーに行くかどうかの判断をする人も多いという.ただし,上記の理由によりランチをディナーと同じクオリティーに保つのは相当難しいらしい.店の良し悪しをランチで判断するのはやめといた方がよさそうだ.シェフも,正直ディナーで勝負したい気持ちはあるとはっきり名言しておられた.
このような話をしながらも,最適なタイミングで次の料理は出てきたし,ワインを飲んでいた私と飲まない母との塩分の量をこっそり変えるなどの対応をしてくださった.また,肉料理でほぼ満腹っぽい母に「デザートキャンセルできます(もちろんその分お安くします)」と提案してくださるなど,温かいお心遣いもいただけた.どうせ奮発するのであれば,たとえ無名であっても高い技術とこだわりを持っているお店でお金を使いたいなと思った.
(いとうさんは無名ではないです!ド有名ですが!)
これからもどうぞ,ごひいきにさせていただきます.